アフリカ 民族 一覧

アフリカ大陸には、実に3000を超える民族が暮らしているといわれています。国の数は54ですが、その一つひとつの国の中に、言葉も文化も異なる多様な人々が共存しているのです。
「アフリカの民族を一覧で知りたい」と思っても、あまりの数の多さに、どこから手をつければいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アフリカの代表的な民族を地域別・語族別に整理し、有名な民族の特徴もあわせて紹介します。単なる名前の羅列ではなく、「どの地域に、どんな暮らしをする人々がいるのか」がイメージできるようにまとめました。
この記事で学べること
- アフリカには3000以上の民族が存在し、54の国境線とは一致していない
- 民族は大きく4つの語族に分類でき、分布を知ると全体像がつかめる
- マサイ族やズールー族など有名民族の特徴と居住地域がわかる
- 地域別の代表的な民族を一覧で把握でき、調べ物の入り口になる
- 民族の多様性が、現代アフリカの課題ともつながっている
アフリカの民族はどれくらいあるのか
まず押さえておきたいのは、その圧倒的な数です。
アフリカ大陸には、一般的に3000以上の民族(エスニック・グループ)が存在するとされています。ナイジェリア一国だけでも250以上、エチオピアでも80を超える民族が暮らしているといわれます。
ここで大切なのが、国境と民族の分布は一致していないという事実です。19世紀後半のヨーロッパ列強による分割で、民族のまとまりを無視して直線的な国境が引かれたためです。その結果、一つの民族が複数の国にまたがって暮らすケースが数多く生まれました。
この背景についてはアフリカ分割とはで詳しくまとめていますので、あわせて読むと理解が深まります。
4つの語族による民族分類

膨大な民族を整理するとき、便利なのが「語族(言語のグループ)」による分類です。アフリカの言語は大きく4つの語族に分けられ、これがおおまかな民族分布とも重なります。
アフリカの4大語族のおおよその話者分布
ニジェール・コンゴ語族
サハラ砂漠より南、広大な地域に分布する最大の語族です。バントゥー系民族が代表的で、ズールー、コサ、キクユ、ヨルバ、イボ、アシャンティなどが含まれます。「バントゥー」とは「人々」を意味する言葉で、数百の民族の総称として使われます。
アフロ・アジア語族
北アフリカから東アフリカにかけて分布します。アラブ人、ベルベル人、ソマリ人、アムハラ人、オロモ人などが代表的です。イスラム文化との結びつきが強い地域が多いのも特徴です。北アフリカの国々については北アフリカ 国で地理的な整理をしています。
ナイル・サハラ語族
東アフリカから中央アフリカにかけて暮らす人々の語族です。マサイ、ディンカ、ヌエル、ルオなどが含まれます。牧畜を営む民族が多く、独特の身体的特徴や文化で知られています。
コイサン語族
南部アフリカに古くから暮らす、サン(ブッシュマン)やコイコイなどの人々です。舌打ちのような「クリック音」を持つ言語で知られ、アフリカで最も古い系統の一つとされています。
特に有名なアフリカの民族

数ある民族の中でも、日本でも名前を聞くことの多い代表的な民族を紹介します。
マサイ族
ケニアからタンザニアにかけて暮らす牧畜民です。赤い布をまとった姿と、高くジャンプする踊りで世界的に知られています。牛を財産の中心とする伝統的な暮らしを、現代でも一部で守り続けています。
ズールー族
南アフリカ最大の民族集団の一つです。19世紀にシャカ王のもとで強大な王国を築いた歴史を持ちます。現在も南アフリカの公用語の一つにズールー語が含まれています。
ヨルバ族とイボ族
いずれも西アフリカ、特にナイジェリアを代表する民族です。ヨルバ族は都市文化や芸術で、イボ族は商業的な活動力で知られています。ナイジェリアの人口の多さはアフリカ 人口 ランキングでも確認できます。
アシャンティ族
ガーナを中心に暮らす民族で、金の産出と精巧な工芸で栄えた王国を築きました。カラフルな織物「ケンテ」は、今もアフリカを象徴する布として親しまれています。
サン族
南部アフリカのカラハリ砂漠周辺に暮らす、狩猟採集を営んできた人々です。自然と共生する知恵を持ち、人類の起源に近い古い系統として研究の対象にもなっています。
地域別の代表的な民族一覧

最後に、アフリカを大きく5つの地域に分け、それぞれの代表的な民族をまとめます。調べ物の入り口としてご活用ください。
北アフリカ
アラブ人、ベルベル人(アマジグ)、トゥアレグ、コプト(エジプトの先住系キリスト教徒)などが暮らします。砂漠地帯とイスラム文化が特徴的な地域です。
西アフリカ
ヨルバ、イボ、ハウサ、フラニ(フルベ)、アシャンティ、マンディンカ、ウォロフ、ドゴンなど、非常に多くの民族がひしめきます。交易で栄えた歴史を持つ民族が多い地域です。
東アフリカ
マサイ、キクユ、ルオ、アムハラ、オロモ、ソマリ、ディンカ、ヌエル、スワヒリなどが代表的です。牧畜民と、インド洋交易で育まれたスワヒリ文化が共存しています。
中央アフリカ
バントゥー系の諸民族に加え、コンゴ、ルバ、ムブティ(森に暮らす狩猟採集民)などが暮らします。熱帯雨林地帯ならではの多様な暮らしが見られます。
南部アフリカ
ズールー、コサ、ソト、ツワナ、ンデベレ、サン、コイコイなどが代表的です。南アフリカ共和国は特に多民族国家として知られています。
民族を調べるときのポイント
民族の多様性と現代アフリカ
これだけ多くの民族が一つの大陸に暮らしているという事実は、豊かな文化を生み出す一方で、現代的な課題ともつながっています。
植民地時代に引かれた国境が民族のまとまりを分断したことは、独立後の紛争や対立の一因ともなりました。この歴史的な背景はアフリカ 植民地 歴史で整理しています。
一方で、多様な民族が言葉を通わせるために、スワヒリ語のような共通語が発達しました。アフリカで話される言語の膨大さについてはアフリカ 言語 数もあわせてご覧ください。
よくある質問
アフリカの民族は全部で何種類あるのですか
正確な数を確定するのは難しいのですが、一般的に3000以上とされています。何を一つの民族と数えるかは研究者によって基準が異なるため、資料によって数字に幅がある点にご注意ください。
民族と部族はどう違うのですか
明確な区別はありません。かつては「部族」という言葉がよく使われましたが、差別的なニュアンスを含む場合があるため、近年は「民族」や「エスニック・グループ」という表現が用いられることが増えています。
一つの国に複数の民族が暮らしているのはなぜですか
19世紀の植民地分割で、民族のまとまりを無視して国境が引かれたことが大きな理由です。そのため、一つの国に多数の民族が共存し、また一つの民族が複数の国にまたがる状況が生まれました。
アフリカで最も人口の多い民族はどれですか
諸説ありますが、ナイジェリアのハウサ族やヨルバ族、東アフリカのオロモ族などが人口の多い民族として挙げられます。ただし民族の人口統計は把握が難しく、推計値であることが多いです。
民族ごとに言葉は完全に違うのですか
はい、多くの場合それぞれ固有の言語を持っています。ただし同じ語族に属する言語には共通点があり、また地域をまたぐ共通語(スワヒリ語など)を併用することで意思疎通が図られています。
まとめ
アフリカの民族は3000以上と膨大ですが、地域と語族という2つの軸で整理すると、全体像がぐっとつかみやすくなります。
まずは本記事の地域別一覧を入り口に、気になった民族の名前を掘り下げていくのがおすすめです。マサイ族やズールー族など、名前を知っている民族から調べ始めると、興味も広がりやすいでしょう。
民族の多様性を知ることは、現代アフリカが抱える課題や、そこに生きる人々の暮らしを理解する第一歩にもなります。この一覧が、アフリカという大陸をより身近に感じるきっかけになれば幸いです。